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萬葉戀歌 藤の章 15

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萬葉戀歌~藤の章~

CAST:游佐浩二

15-白く、白く

久しぶりに休日ができたと思っていたら、書道教室の先生を頼まれた。思い返せば、學生の時以來か、ここに來るのは。

本以為是難得的休息日,但是教書法的老師卻拜託了我幫忙。想來,是自學生時代之後再次來到這裡……

「どうですか?書けましたか?う~ん、綺麗に書けていますね。へぇ?先生の教え方がうまいから?そんなことないですよ。字は人の心を映す鏡。貴方の字が綺麗なのは、貴方の心の中を映しているからですよ。」

「怎麼了?不會寫嗎?嗯嗯,寫得很好嘛。嘿?因為老師教得好?才不是呢。『字如其人』,你的字漂亮是因為反映出了你真實的內心。」

先生のアルバイトをいやだと思ったことはない。教室に來る生徒の皆は僕のことを慕ってくれる。それは書道家である父の威光かもしれない。でも…ここに來ると落ち著く。

我並不反感當老師的建議。來上課的學生們都跟著我,也許是鑒於我那書法家父親的威信。但是,一來到這裡我就會很安心。

靜かな住宅街の一角にあるこの教室の窓からは、小さな日本庭園が見える。手を休めて、窓の外に目をやると、雪が降っている。いつのまに降り出したのだろう?

位於安靜的住宅區的一角,從這個教室的窗戶看出去是個小小的日式庭院。休息一下,瞥見窗外,下雪了。什麼時候開始下的啊。

「ふわ~もう結構積もってるなぁ。はぁ~息が白い。」

「哇,已經積起來好多了呢。哈,哈的氣是白的呢。」

もうだいぶ前から降っていたのかもしれない。庭の草木はほとんど雪に覆われて白くなっている。

大概是很早就下了。庭院里的草木幾乎都被雪覆蓋而變成了白色。

「彼女も今頃雪見てるかなぁ…なんて。」

「她現在也在看雪,吧……」

手の平を差し出すと、雪がふわりと落ちてくる。でもすぐに姿を変えて消えてしまう。

伸出手掌,雪花降落下來。但立即就沒了形狀,消失不見。

「まるで…彼女みたいだ。」

「簡直……和她一樣啊。」

このまま雪が降り積もって、世界中を白く染め上げればいいのに。何も見えなくなるくらい…すべてを、白く…白く…そして、嫌なことを、忘れたいことを全部消してくれればいいのに。

要是雪花能一直這樣堆積著,把全世界都染成白色就好了。染到什麼都看不見的程度,一切都,變白……變白……然後,把討厭的,想忘記的,全部都消除掉就好了。

『吾が戀は現在もかなし草枕多胡の入野の奧もかなしも』

『我戀在而今,多心傷;即如多胡山坳遠,遠處也斷腸。』

僕は悲しい戀をしている。きっと未來も、それは変わらない。

我正經歷著一場悲傷的戀情。未來也一定是。那是不會變的。

こんな弱気になるなんて、僕らしくないな…

變得那麼懦弱,真不像是我了。

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